NPO 法人 ふらっとコミュニティ

代表者 山根 俊恵

陽の杜 家族会一同

「ひきこもり地域支援センター」委託に関する署名のお願い

 

平成 31 年 3 月、内閣府は 40 歳~64 歳のひきこもり者は全国で 61 万 3,000 人いるとの推計値を公表しました。この数値は 15 歳~39 歳の 54 万 1000 人を上回る結果で、中高年のひきこもりの問題の深刻な実態が社会的にも浮き彫りになりました。これは、ひきこもり者が解決せずに長期化した結果、親世代が 80 代でひきこもりの子が 50 代であるという切実な問題です。親が元気な間は、親の年金で暮らすことができますが、親の介護がのしかかれば、双方の生活は破綻しかねません。そのため、長期化したひきこもり者とその家族の支援の対策が急務と言えます。最近では、親子の孤独死、遺体遺棄、川崎市での無差別殺傷事件や元事務次官が息子を殺すといった事件など世帯ごと地域で孤立したケースが明るみになってきました。ひきこもり地域支援センターなどの相談窓口はあっても機能しているとは言い難い状況の中、自立支援をうたいながら本人の同意を得ずに、強引な手口で施設に連れ出す「引出し屋」と言われる悪質業者も明るみになってきました。

NPO 法人ふらっとコミュニティは、この問題に対していち早く取り組む必要性を感じ、平成 27 年度より宇部市を中心としてひきこもり支援を実践してきました。「あちこちに相談しても話を聞いて終わり。たらい回し。ここで 10 か所目です」と疲弊したご家族を支えてきました。「この子を殺して私も死のうと何度思ったか…」と涙を流される方もおられます。「家庭内暴力」「部屋から出てこない」「喋らない」「昼夜逆転の生活」など、子どもにどう対応してよいかわからないと悩む家族に対し、話を聴いて終わるのではなく、「家族心理教育」を実践することで、家族関係に変化をもたらしてきました。また「家族支援」にとどまることなく「本人支援」として訪問や居場所支援を行っています。さらに、「社会参加支援」へと移行し、多くの方が就労に結びつきました。最近では、この支援体制が全国から注目され、多くのマスメディアに取り上げられています。(下記参照)
平成 30 年 6 月には、3,088 名の署名に併せて「山口県ひきこもり地域支援センターの事業委託に関する要望書」を県知事宛に提出いたしましたが、「委託は時期尚早。山口県のひきこもり支援体制は十分機能している」との返事でした。しかし、市外からの相談も多く、「県に相談したけど話を聞いて終わりだった」「家族会だけでは何も変わらない」というご意見が殺到しているのが現状です。

山口県に新たなひきこもり支援システムを構築すること、適切な家族支援を行うこと、支援者を育てることがいま望まれています。そのため、実績のある NPO 法人ふらっとコミュニティに事業委託の要望書を署名と併せて再度、提出したいと思っています。趣旨をご理解の上、賛同いただけます方は署名をお願いいたします。
(2020年4月初旬に、山口県知事に提出予定としています。3月中にご提出をお願いします)

「ひきこもり支援センター」委託に関する署名のお願い(印刷用PDFファイル)